Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

土竜#2

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 それでは、今回は、水上駅、「SLみなかみ」をお届けします。

 写真は、牽引機D51 498です(写真)。高崎から水上まで列車牽引後、火床整理等を終えて入換、高崎に帰る準備が整っています。

 黒を黒く撮るには、カメラの「露出補正」が必要です。追針式マニュアルなら、常にどれだけ補正しているか、意識することが出来ます。

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 1軸の先輪の後は、シリンダーです(写真)。ここの蒸気の出し入れが、SLの動力の源です。横の円形の装置は、蒸気の排出を調整する装置で、飾りではありません。

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 シリンダーの後は、ダイヤモンドヘッドです(写真)。ここからピストンの前後運動が主連棒に伝わり、主連棒の回転運動へと変わっていきます。この上部は、シリンダー上の、蒸気をピストン前後に供給を切り替える部分になっていて、ここで進角を調整する逆転機に繋がっています。いわゆる「ワルシャート式」の心臓部です。

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 主連棒は、第3動輪、すなわち「主動輪」に繋がれます。ここで他の動輪を繋ぐ連結棒に伝わり、動輪が回転します。設置部前後には、砂撒き装置が装備されます。

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 そして動輪後には火室があり、D51はその下に従輪があります(写真)。

 明治期に東北本線等を建設した私鉄、日本鉄道は、火力の小さい常磐炭を燃料とすることから、火室を広く取り、その下に従輪を設ける、いわゆる1D1の軸配置でアメリカのSL会社に発注したところ、この会社が「ミカドの国のSL」として宣伝し、以来世界的にこの軸配置は「ミカド形」と通称されるようになりました。そのスタイルは、D50、D51、D52まで継承されました。「きかんしゃトーマス」に登場する、日本製SL「ヒロ」も、劇画ではミカド形です。

 1,115輌製造されたD51は、日本のSLにおける最高傑作ともいえるでしょう。数のみならず、形態的にも完成したものであり、日本中で活躍した機関車です。保存車両数も間違いなく最多でしょう。そのためか、あまり有り難さを感じないのですが、やはり日本を代表するSL、動態保存機も多いので、生きたSLを、今のうちに残しておきたいですね。

 それでは、次回をお楽しみに。