Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

Double Header#3

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 あけましておめでとうございます。管理人、Seichiroです。

 今回の写真は、ダブルヘッダーの前半戦、名鉄のウォーキングでの撮影、新川検車区(正確には犬山検車区新川支所のようですが)での撮影です(写真)。左、1851始め2連、右5305始め4連、いずれも足回りが旧式車の再利用で、かついずれも現存しません。その意味で、貴重なワンカットとなっています。

 今後とも、注目されないようなネタを続けていきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次回をお楽しみに。

Double Header#2

 それでは、今回も引き続き近鉄塩浜検修車庫のイベントからお届けします。

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 先回の、「はかるくん」、モワ24の相方は、クワ25(写真)。無動力の車両で、この車両は台車を履き替え、南大阪線伊賀鉄道養老鉄道といった狭軌線で、牽引されて運用することもできます。

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 この車両の運転台側が、「1」、則ち1位側です。1位側の台車(写真)。例によってシュリーレン式台車で、それは近鉄・近車伝統の形です。後側の軸受けに工作があります。

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 2位側の台車(写真)。これもシュリーレン式、1位側の軸受けが油温計か、速度計がついています。

 元は一般形電車を改造して誕生した、「はかるくん」。関東各私鉄のような派手さはありませんが、これで主要路線全部走ることが出来、実用面もバッチリです。軌道の安全は、普段から検測の必要があり、これが近鉄の安心に繋がっています。

 それでは、次回をお楽しみに。

Double Header#1

 それでは、今回からは、近鉄塩浜検修車庫のイベントからお届けします。

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 例年「電車と綱引き」の位置に、「はかるくん」が置かれています(写真)。しかも、フル編成で、いくら多人数でも引くのは難しい重さです。やはり、展示とみるべきでしょう。こちら側は電動車、モワ24で、こちら側が2位側になるようで、運転台下に「2」のプレートが貼られます。

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 次は、運転台側、則ち2位側の台車(写真)。モワ24は電動車ですので、動台車と思われます。一瞬「ウイングバネペデスタル式」と言いたいですが、近鉄近畿車輛は伝統的にシュリーレン式(スイスのシュリーレン社と提携し設計されたことからこの名がついた)台車を使用しており、これも当然そうです。近鉄がシュリーレン式を放棄したのは、22000系「ACE」からです。その前の21000系「アーバンライナー」までは、本当に頑なにシュリーレン式を用いていました。

 シュリーレン式台車は、別名「円筒案内式」とも呼ばれ、バネの内側に太さが微妙に違う円筒が上下にあり、その噛み合わせで位置を固定、バネで車軸の衝撃を吸収する方式です。超精密整備を要求されるスイスの鉄道技術の中でも、日本に定着した数少ない技術です。

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 1位側の台車(写真)。ボルスタアンカが先ほどと反対向きに入っていますが、それ以外は同じです。車軸の軸受けが、「NTN」としっかり陽刻されており、メーカーがすぐ分かります。

 高速鉄道が実現する、最初の関門が軸受け、ここが少しでも不出来だと潤滑油が燃焼し、白煙を上げ大変なことになります。最悪、車両の破損に繋がり、大事故の原因にもなり、やはり生命線と言うべきでしょう。これが出来るか、出来ないかで技術を計ることも出来、また砂粒一つでダメになる、非常に重要な部品です。恐らく全ての鉄道会社で、徹底洗浄する場所です。

 一時は、ボディマウント式のボルスタレス台車が完成形と考えられていましたが、今では再びボルスタ台車を復活させる会社もあり、やはり「究極の台車」は、まだ無いというべきでしょう。まだまだ、技術の追究が必要なようです。

 それでは、次回をお楽しみに。

首都圏最高#14

 それでは、今回も引き続き、東葉高速鉄道八千代緑が丘のイベントからお届けします。

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 写真は、2000系2010の、運転台(写真)。メーターは3つで、真ん中のオレンジに光るのが速度計、その周りはATCの速度信号で、信号の速度の位置とメーターの速度が合っています。つまり、速度を信号に併せることが出来るようになっています。左の2段のメーターは圧力計、エアとブレーキの圧力が確認出来ます。他の多くは、右手のモニターで確認出来ます。加減速は左手ワンハンドルマスコンで、ブレーキ時に右手を引かないよう、右側はダミーハンドルになっています。

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 助士席側(写真)。1人乗務のため、車掌用装備が中心です。中央右寄りに貫通路、非常出口があり、そこから正面に向けて梯子が出ています。向こう側からの写真は以前上げており、再掲はしません。

 初期投資を抑えるため、開業時は東西線のお下がりの5000系を、東葉1000系として使用した東葉高速鉄道。保線機械も東京メトロのお下がりが多く、本当にコスト削減には腐心したようです。そして軌道に乗ってきた頃に満を持して、東京メトロ05系後期車相当の2000系を製造、互換性も完璧、現在全て統一されています。

 つくばエクスプレスほど長大ではありませんが、十分通勤新線であった東葉高速鉄道も、鉄道空白地帯を埋める形で出来ました。料金はちょっと高い気はしますが、都心直通は強い。立ったままでは大変ですが、着席出来れば本当に楽な鉄道のような気がします。

 それでは、次回をお楽しみに。

首都圏最高#13

 それでは、今回も引き続き、東葉高速鉄道八千代緑が丘のイベントからお届けします。

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 写真は、東葉高速2000系の、ドアエンジン(写真)。自動ドアの開閉を行う装置です。モーターが銀色の部分を回し、それで後のプラスチックのチェーンを動かし、ドアを左右に開け閉めすることが出来ます。

 ここも、JR東日本の209系以来、簡素化が進んだ装置の一つです。209系の4本の試作編成は、それぞれに違う装置を装備して、どれが一番保守が簡単で、故障しないかを試験していました。これは、多くの鉄道会社に影響を及ぼしました。国鉄101系では、空気圧式のドアエンジンを床下に装備していた位なのですから。

 それでは、次回をお楽しみに。

首都圏最高#12

 それでは、今回も引き続き、東葉高速鉄道八千代緑が丘のイベントからお届けします。

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 写真は、ブレーキの制輪子(写真)。従来の鋳鉄では無く、おそらくレジン製のシューです。車輪の円周面(踏面)に当てるブレーキの、当たる部分です。最初は右のような状態ですが、磨耗により左のようになり、この時点で交換となります。使用後の制輪子の表面はザラザラでささくれ立っており、素手で触ると棘が刺さる位です。

 車輪は、円周方向には滑らかですが、円周面はザラザラです。これは車輪旋盤で削った結果で、どうやってもツルツルにはなりません。

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 その、制輪子を車輪に当てる、ブレーキ装置(写真)。近年多くの鉄道車両で使われるユニットブレーキで、台車に固定され、エアの圧力で制輪子を押しつける装置です。当然制輪子は磨耗し、そのままだとブレーキの効きが変わってしまうので、自動的に隙間を調整出来る、隙間アジャスタが装備され、削れても同じように効くようになっています。そして著しく削れたら、制輪子だけ交換出来、仮にブレーキが調子悪くなっても、ユニットを交換するだけです。

 従来のシリンダーでテコを動かすブレーキに比べ、装置は簡易になっています。流石に新幹線ではこれは無理でしょうが、時速120キロ程度であればこれで十分なようで、在来線電車にも多用されます。

 共通部品化、軽量化、省力化が、首都圏の電車ではかなり進んでいます。JR東日本がその筆頭ですが、同様な考え方をする会社も多い感じです。一方で従来の設計を頑なに守る会社もあり、その辺はその会社の車両に対する考え方が明らかになる場所です。だから、面白いとも思うわけですが。

 それでは、次回をお楽しみに。

首都圏最高#11

 それでは、今回も引き続き、東葉高速鉄道八千代緑が丘のイベントからお届けします。

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 写真は、東葉高速2000系に搭載された、現代電車の心臓部、VVVF(VVVFインバーター)(写真)。VVVFは完全な和製英語、”Variable Voltage Variable Frequency”の意で、その頭文字からVVVFと呼ばれます。電圧と周波数を制御して、交流モーターを動かす装置です。なお、VVVFに余裕があり、SIVに故障が生じた場合には、CVCFに変更しSIVの代用をすることも出来ます。

 VVVFは、理想的な制御装置と考えられていましたが、昔は直流電力でMGを動かし、それで得られた三相交流で駆動するなどと、非常にロスの多い方式でしか実現出来ませんでした。しかし大電力用の半導体が実現し、結果直接交流電力が発生出来るようになり、現在に至ります。しかしこの30年でも、制御素子がGTOサイリスタからIGBTへと変化し、半導体の耐圧の関係で3レベルインバーターから、再び2レベルインバーターへと変わっていきました。それを制御する論理部も、これはコンピューターで、最適な制御が出来るようになっています。正に、珪素の塊です。

 それでは、次回をお楽しみに。