Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

天命#1

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 暫く空いてしまいましたが、投稿を再開したいと思います。今回も、JR四国多度津工場のイベントからお届けします。

 写真は、JR四国8000形特急電車の動台車、S-DT60です(写真)。いわゆる「制御付き振り子」と呼ばれる車体傾斜装置を装備した台車、常用で時速130キロに対応する台車です。高速走行試験では160キロも出したことがあるようです。

 その、動作実演の動画もあります。車体を載せる空気バネの上にカラーコーンを載せ、その上にトラ柵をのせ、角度にして僅か数度の傾斜が、電車レベルだとこれほど大きな傾斜になる、ということが分かる展示です。

 曲線の高速化のために、国鉄・JRでは自然振り子傾斜を、小田急等では強制傾斜を目指していました。しかし自然振り子傾斜式の実用版381系電車では、気分を悪くする人が多かったことから、「制御振り子」が開発され、それが一時主流となっていました。ただ現在では、空気バネの空気の出し入れのみで行う「空気バネ振り子」が主流となり、敗北宣言を出したJR北海道などでも主流になりつつあります。

 本当はJR北海道では、制御振り子と空気バネ振り子のハイブリッド車体傾斜方式の特急用気動車285系を試作しましたが、その試作車両は深夜に1回試運転しただけで解体され、国鉄・JR車両として最も短命に終わった車両として記録に残っています。やはり、コロ軸やベアリングガイド式の車体傾斜は保守が困難で、空気バネのみで出来る空気バネ振り子が主流となるのは、やむを得ない感じはします。つまり、今後この方式の車体傾斜装置は、減少することとなるということです。そこは、機会があれば注目したいです。

 なお、JR四国では、空気バネ振り子気動車2600形を試作、試験した結果、特に土讃線等には適さないとの結論から、再び制御振り子気動車2700形が開発され、間もなく量産車が投入され、新「アンパンマン」号がデビューするとのことです。「アンパンマン」への評価はあるでしょうが、もう間もなくです。

 それでは、次回をお楽しみに。