それでは、今日は、台車を見ていきたいと思います。
近鉄の特急車両、12410系の台車です(写真)。これだけを見ていると、現在のボルスタレス、ダイレクトボディーマウントの台車と区別がつかない感じがします。
違いは、車体を載せると分かります(写真)。車体にボルスタアンカが装備され、その先にボルスタ(揺れ枕梁)が渡り、これとボディーの間に空気バネが挟まれ、これで重量を受け止めています。台車中心ピンはボルスタの中心にあり、それを中心に動きます。
この台車は通称「シュリーレン台車」と呼ばれ、近鉄・近畿車輛がスイスのシュリーレン社と提携し導入した技術で、21000系アーバンライナーまで使用された技術です。なお、その後の22000系からは、ボルスタレス台車となっています。
乗り心地も良く非常に優れた技術でしたが、しかしスイスの技術であるため精密であり、保守は難しいようで、国鉄では定着しなかった技術です。近鉄だから出来た、と評すべきか。
それでは、次回をお楽しみに。