Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

大正期まで#2

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 それでは、今回も引き続き、佐呂間で保存されるスユニ50 517を見ていきたいと思います(写真)。

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 写真は、荷物室(写真)。床の金属製のスノコが特徴で、ほぼ全部の荷物車は、この床です。手荷物、小荷物を輸送する部分、トラックによる宅配便が常識の現在からは、用途が思いつかない部分です。これは貨車では無く、荷物客車です。新聞が、荷物の代表例です。

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 その後には、車掌室があります(写真)。2人掛けの固定クロスシートが左右にあり、4人着席可能です。その後に、緩急施設があると思われます。郵便車、荷物車は中間には繋がず、通常どちらかの車端であり、この施設があります。

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 郵便室との中間、片側には洗面台があります(写真)。ボタンで水と湯が出る蛇口があり、洗面台は陶器製です。

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 その反対側は、トイレです(写真)。昭和40年代から50年代の、国鉄車両のトイレ、0系新幹線でも同様のステンレス製トイレであったと思います。循環式で、中を青い水(銅イオン水溶液)が流れ、固形物のみ濾し、再度循環させ便器を洗浄するため、だんだんステンレスに銅イオンが付着、青く変わっていた記憶があります。

 客車の車番500番代は、北海道仕様を意味します。北海道対策を施され製造された同車ですが、間もなく鉄道での郵便荷物輸送が全廃となり、全車両用途廃止、余剰となり、一部が保存された以外は廃車、解体の憂き目に遭いました。

 体質改善のために、車体のみ新製、リサイクル可能な部分はリサイクルし、極力資源を有効活用しようとしたものの、間もなく用途廃止で、有効に使い切ることが出来なかったのは残念でした。今後の教訓となったでしょうか。

 それでは、次回をお楽しみに。