それでは、今日は、旧ルート巡りの2回目です。
北九州市、八幡東区の河川に、写真のような煉瓦構造物が突如現れます(写真)。川を渡る煉瓦アーチ橋ですが、前後に何も無く、何のための構造物か分かりません。
これも、昨日と同じく九州鉄道が建設した、元は鹿児島本線で、後に海沿いの新線が開業、以降通称「大蔵線」と呼ばれた支線の構造物です。
対岸からの眺め(写真)。橋梁のアーチ部分は、煉瓦が互い違いに組み合わせるよう、通称「下駄っ歯」と呼ばれる造りで、ここに煉瓦を噛み合わせ複線化できる設計になっています。
九州鉄道が建設を開始した当初、陸軍が艦砲射撃を避けるため内陸に建設することを求め、この位置に本線が敷かれましたが、やはり海岸沿いの方が勾配も楽であり、後に新線が敷かれ、支線に格下げ、その後「九州電気軌道」開業で廃止となりました。永く、築堤も残っていたようですが、現在はこのアーチのみ残ります。そのため、この不思議な景観が生まれました。
それでは、次回をお楽しみに。