Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

天命#7

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 それでは、今回も引き続きJR四国多度津工場のイベントからお届けします。

 写真は、電車のボックスシートです(写真)が、何か違う。通常のボックスシートは大人2人掛けが向かい合わせで4人用ですが、座席の途中に仕切りが付き、3人掛けのようです。この奥には、「修学旅行用電車の座席」と書かれています。

 新幹線開業前は、長距離移動は鉄道で、貸し切りバスもあまりなく、当時は「修学旅行用電車」というものがあり、通常は修学旅行用で、多客期には急行電車に駆り出される車両があり、155系、159系、167系がそれに当たります。しかもそれらの車両には、永く黄色とオレンジのツートン、「修学旅行色」が塗られ、特別な車両でした。その座席は、子供が座ることを前提に設計されていたことから、通常のボックスシートが大人2人掛けのところ、子供3人掛けにしていました。多分、その分通路も狭かった筈です。また、中間のテーブルも、お弁当を広げるためのものです。なお、急行形気動車キハ58系にも、同様の車内設計の車両(確か、800番代を充てていたはずです)もありました。

 しかし、大阪万博の大量輸送を経て、その後の修学旅行輸送は新幹線で行うこととなり、これらの車両は波動輸送用に使用されることとなります。塗装も湘南色に改められ、臨時急行等に使用、主電動機がMT54であった167系は平成まで使用されましたが、MT46を使用した155系、159系は、153系と同様の運命を辿ります。おそらく、これは155系の座席と思われます。

 かつて、在来線には「修学旅行用電車」というものがあった、その証です。今後再びは現れないでしょうが、かつての一時代を記憶するものとなっています。

 それでは、次回をお楽しみに。