Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

世界初#1

f:id:seichiro0:20200129221234j:plain

 それでは、今回からは、JR四国多度津工場のイベントからお届けします。

 写真は、世界初の振子気動車、JR四国2000形の試作車、2001です(写真)。非電化区間で急曲線でも高速に走行出来るよう、制御付き自然振子装置で車体を傾斜することができます。

 一般に、エンジンを積載する気動車では、振子装置がエンジン回転の方向に傾斜してしまい、実用化出来ないとされてきましたが、JR四国では、前後に2台エンジンを点対称に配置し、互いの回転を打ち消し、実用化の目処がつきました。

f:id:seichiro0:20200129221239j:plain

 前側(運転台側)の台車(写真)。台車中央が車体傾斜装置、コロ軸受けのようです。軸箱支持は積層ゴム式、ボルスタレス台車で、ヨーダンパが付いています。また、先頭側は排障器が装備されます。

f:id:seichiro0:20200129221242j:plain

 後側(連結面)の台車(写真)。同構造ですが、排障器が省略されています。

 それより前に製造されたキハ185系では、譲渡はあっても廃車は無く、全車健在ですが、試作車であり、多少量産車と構造が異なるため、早期に引退することとなりました。しかしこれがJR北海道JR西日本智頭急行でも使用され、非電化区間の高速化に貢献し、一時は「電化不要論」まで叫ばれた時代がありました(JR北海道での最後は非常に残念でしたが)。そこまではいかなくても、急曲線が多い日本の鉄道に、効果的な高速化の手段をもたらし、高速バス等に対抗するための技術となっています。

 やはり酷使したのか、後継車両の開発が現在進められており、空気バネ振子気動車2600形も試作、しかし土讃線等には適さず、現在振子気動車2700形試作車が一部土讃線で使用されます。今後、置き換えは進むのか。しかしモノクラスで、グリーン車の問題も生じそうで、どう解決するのか。興味あります。

 それでは、次回をお楽しみに。