Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

トンネルの向こう側#12

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 それでは、今回は九州最終回です。

 旅の終わりは、門司港レトロ、EF30 1です(写真)。日本初の交直両用機関車ですが、関門トンネル内が主な仕事、交流区間では入換等の小運転しか考えられていないため、格段に力が落ちるとされます。ボディは海水の塩分への耐蝕性からステンレス製、量産機はコルゲート板が外板に用いられますが、これは平板で、試作も兼ねています。窓は、貫通路は鉄板、それ以外は半透明のプラ板で塞がれ、同機の状態がよく分かります。

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 前側の台車(写真)。DT117とされます。少々古めかしい台車です。軸箱支持はウイングバネペデスタル式で、これはこの時代の車両の特徴です。ステップは、車体に設けられています。

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 中間台車(写真)。DT118とされます。カーブでは車体中央がレールから大きく外れることから、中間台車はそれを補正する装置が必要で、それが装備されています。その装備は三菱重工が開発したらしく、そのためEF30は三菱製が多いようです。

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 後側の台車(写真)。これもDT117です。

 後にEF81 300番代が4両投入されましたが、一時そのうち2輌は他区に転出、永く関門の守り神でしたが、国鉄末期にEF81 300番代の復帰、及び0番代改造の400番代投入で全機引退、全体で残る機体はこれと横川しか思いつきません。九州鉄道記念館も、前頭部だけですし。

 それでは、次回をお楽しみに。