Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

借り物#1

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 それでは、今回は、近鉄名古屋線に係る橋梁をお届けしたいと思います。

 三重から進出した、大阪電気軌道の子会社、参宮急行電鉄は、伊勢鉄道を傘下に収め、名古屋への進出を計画していました。ちょうどその頃、関西鉄道、後の関西本線木曽川及び揖斐・長良川橋梁が、架け替えで余剰となったため、これを再利用するという計画を立て、実施されました。戦後、改軌を前提とした架け替えが行われたところ、ちょうどその時期にいわゆる「伊勢湾台風」災害があり、災害復旧と併せ改軌が前倒しとなり、旧橋梁は廃止となりました。その、旧橋梁を巡る話です。

 木曽川橋梁愛知県側には、写真のようなコンクリート橋梁があり、JRを乗り越そうという形になっています(写真)。旧橋梁は、関西本線現橋梁の北側であり、乗り越す必要がありました。てっきり伊勢湾台風の災害跡と思っていましたが、時期的にはそうですが正確にはそうではありません。

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 乗り越した先は現在道路橋となり、河川管理用の道路となっています(写真)。

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 水面の部分(写真)。現在の近鉄名古屋線木曽川橋梁は、JR関西本線の南側になり、伊勢湾台風直前に竣工したとのことです。旧橋梁は撤去されていますが、現在も基礎が残るらしく、通過する舟運等に注意標識が立ちます(写真)。

 竣工と災害が同日であったため、一気に切り替えが行われました。しかし、災害復旧と同時に改軌を行ったのは、英断です。

 それでは、次回をお楽しみに。