それでは、今日は、ところ変わって京都市、琵琶湖疏水「インクライン」をお届けします。
元々は、京都の水運を確保するために開設された「琵琶湖疏水」。後に水道、更に水力発電と発展していくわけですが、原点はそこにあります。しかし、東山と山科の間は険しく、平坦に近い水路は不可能です。そのため、舟を山岳地へと通すため、「インクライン」が設けられました。鉄軌道式の施設で、舟を載せる台車が、南禅寺から上下していました。
写真はインクラインの台車(写真)、舟と、その上の荷物は、寄付による復元だそうです。鉄道的にいうならば、ボギー車になっています。
上方の眺め(写真)。2線、4条の広軌の軌道が、一定勾配で上っているのが分かります。
下方の眺め(写真)。こちらも一定勾配で下っているのが分かります。
そして、その下った先は、平坦な水面となっています(写真)。ここで舟を載せ下ろししていたのでしょう。
2線4条の軌道なのは、おそらくケーブルカーと同じ釣瓶式であるからで、頂点に動力があるわけですが、この動力は当初水力で計画されていましたが、電気式に変更され落成しました。
山科経由の鉄道の開業、更に道路網の整備により、このインクラインは使用されなくなり、廃止され現在に至ります。しかし、鉄軌道式の輸送機関として、歴史に残る施設であると思われます。この遺構も、残して欲しいですね。
それでは、次回をお楽しみに。