Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

山中の隘路#1

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 それでは、今日からは、北陸本線旧ルートのトンネル群をお届けします。

 滋賀県、旧木之本町から一般国道を北上すると、右に分岐後下を潜り、左に抜ける道があります。抜けた場所には、トンネルがあり、1車線分しか無く、信号で通行が規制されています(写真)。

 このトンネルが、日本初の長大トンネルとなる柳ヶ瀬隧道で、深坂トンネル開通で北陸本線のルート変更後、暫く「柳ヶ瀬線」というローカル線として維持されるも、間もなく廃止、道路トンネルに転用されました。

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 北側出口(写真)。こちらは、石積みの立派なポータルが残っています。

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 道の脇には、石碑が建っています(写真)が、少し読みづらくなっています。

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 その横には、平成になってから建てられた、土木学会推奨土木遺産のプレートと碑が建っています(写真)。

 北陸と関西のショートカットを目的に、敦賀~長浜間に鉄道敷設が計画され、そのルートとしてこの柳ヶ瀬隧道は完成、ルート完成により北陸からの輸送が、船で約半年だったのがが3日に短縮、劇的な変化をもたらしました。近代化です。

 それでは、次回をお楽しみに。

追憶#4

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 それでは、今回も引き続き名鉄美濃町線(廃止)美濃駅跡の保存車両、最終回です。

 写真は軌道形の車両モ593です(写真)。元名古屋市電(廃止)のようで、同市の主力であった1400形と思われます。

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 車内(写真)。シートが残り、現役当時を彷彿とさせます。

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 運転台(写真)。大型のマスコンに、簡易なブレーキ弁、圧力計が見えています。速度計は無いようです。

 名古屋市1400形は、主力であるのみならず、戦前形電車の到達点として、「傑作」と最高の評価がなされています。以降は戦時設計で技術が下がり、戦後復活まで長く時間がかかりました。しかし、それを今も見られるのは幸運です。

 それでは、次回をお楽しみに。

追憶#3

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 それでは、先回に引き続き、名鉄美濃町線(廃止)美濃駅の保存車両を見ていきたいと思います。

 今回は、モ510形モ512です(写真)。人気の同形、全廃後も大半が静態保存されます。

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 車内(写真)。展示用に座席は全部撤去され、がらんどうです。

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 運転台(写真)。マスコンエアブレーキ、他簡易な施設で、速度計も見当たりません。軌道線の車両のようです。

 谷汲のモ514が車内見学を中止している関係で、現在車内が見れる同形唯一の車両となっています。座席はありませんが、貴重です。

 それでは、次回をお楽しみに。

追憶#2

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 それでは、今日は、先日の美濃町線美濃駅の、保存車両をお届けしたいと思います。

 写真は、美濃町線で活躍したモ600形モ601です(写真)。1両で複電圧に貫通路でてんこ盛りの同車、そのため冷房を載せるスペースが無く、結果早期に引退しました。

 なお、同形現存は同車のみのようです。本形方向幕が特徴です。

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 車内(写真)。現役当時はロングシートでしたが、展示施設用に撤去されたようです。

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 運転台(写真)。マスコンと速度計は貫通路に固定、動かせないエア系は右側に固定されます。

 設計的にもギリギリで、更に田神線経由で各務原線に乗り入れで600V、1500V両用となり、1両としては限界まで機器を載せた感じがします。以降は余裕がある車両となり、非冷房の同車は引退しました。

 それでは、次回をお楽しみに。

追憶#1

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 それでは、今日は、廃線跡の駅舎を見ていきたいと思います。

 写真は、名鉄美濃町線(廃止)美濃駅です(写真)。部分廃止で、美濃~新関間が廃止、新関~関間が新規開業しましたが、結局全線廃止となりました。

 同駅は、部分廃止時に廃駅となり、しかし記念館として保存されています。

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 同駅舎は木造の、そこそこ地方駅としても立派な部類であることから、文化庁が「登録有形文化財」の認定を行い、そのプレートが掲示されます(写真)。廃止で壊さなくて、良かったです。

 名鉄は、岐阜地区の600V区間を全て失い、路線延長が私鉄2位から3位に転落、東武を下回ることとなりました。残念です。

 同駅ホーム跡には保存車両があるので、それを取り上げたいのですが、それは次回以降に。

 それでは、次回をお楽しみに。

官線の名残

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 それでは、今日は、「京福電鉄」改め「えちぜん鉄道」三国港からお届けします。

 写真は、三国港駅少し福井方の、煉瓦アーチ橋です(写真)。しかも、線路に対し斜めに架かっていることから、「ねじりまんぼ」で、斜めにねじれて積まれているのです。

 この橋は、京福より前、官線の「三国港線」当時からのもので、その頃の遺構でもあります。是非、実物をご覧下さい。

 それでは、次回をお楽しみに。

再起はあるのか?

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 それでは、今日は、ところ変わって北海道からお届けしたいと思います。

 北海道を旅行中、札幌から函館に行くのに、特急に乗れば良いところ、小樽から普通列車に乗りました。勿論「ウイスキーの聖地」に行きたいからですが、その後、延々と続く普通列車の、ローカルな風景を眺めていました。

 すると、ニセコ駅に、「?」と思う光景が(写真)。そう、SLの転車台です。JR創立直後には、「隠れスーパースター」C62 3号機が、札幌行きに折り返した場所です。

 あれから四半世紀、JR北海道を取り巻く状況は変わり、あんな大型機を復活させる余裕はどこにもありません。このまま、朽ち果てるだけなのか。JR北海道の、退行は、止まらないのでしょうか。悩ましいです。

 それでは、次回をお楽しみに。

瞼の恋人

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 それでは、今回は、ところ変わって「北近畿タンゴ鉄道」、現在の「京都丹後鉄道」、宮福線からお届けします。

 宮福線に乗っても、JR115系電車や、KTR700形ばかりで、なかなか巡り会えなかったMF形。MF100も僅か、増してMF200はいつも車庫で、なかなか残念でしたが、偶然乗り合わせる機会があり、福知山から宮津まで乗車しました。

 車両は、MF202、赤いMF2両のうちの1両です(写真、宮津にて撮影)。

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 車内は、0系発生品の回転リクライニングシートが装備され、車両の割りには贅沢です。そして、運転台(写真)。国鉄から独立した頃の、第三セクター鉄道気動車として標準的な運転台です。

 しかし、内部はともかく外装は傷みが見られ、KTR形では空調にトラブルのあるものもあり、うちわを車内で配っていたのも思い出です。運営主体が代わり、整備が行き届くよう願うのみです。

 それでは、次回をお楽しみに。

戦力外となっても#2

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 それでは、今回も引き続き、豊橋鉄道渥美線退役車両をお届けします。

 デワ11の隣には、デキ211が停まります(写真)。クリームにスカーレットの帯は、豊鉄らしいとも、名鉄特急の一時のストロークリームとも思われます。

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 運転台(写真)。大型の、おそらく直接式のGE製マスコンと、ブレーキが、横向きに配置されます。

 600Vから1500Vへの昇圧は、これらの車両を引退させましたが、本当は名鉄と直通運転がしたかった、との説もあります。関連会社ですから、そういう話もありそうですが、結局名鉄にその熱意が無く、新豊橋の移転を経て、現在の東急ダイヤモンドヘッドとなっています。

 これらの車両は引退しましたが、その後も保存され、幸運でしょう。ここまで電車が来ることはありませんが、バスは来ます。是非、見て下さい。

 それでは、次回をお楽しみに。

戦力外となっても#1

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 それでは、今回は、豊橋鉄道引退車両をお届けします。

 写真は、渥美線デワ11です(写真)。電動貨車、二軸単車で半鋼製の車両です。田原市内の農業公園にて保存されます。

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 運転台(写真)。マスコンハンドブレーキのみで、エアブレーキも無く、単行を前提とした車両のようです。

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 内部(写真)。床から天井まで、骨組み以外は全部木材で、非常にウッディーです。

 渥美線600V当時使用されたこの車両は、1500V昇圧に伴い、対応改造されることなく引退しました。戦力外とは、残念。しかし、保存されているのは良いことです。

 それでは、次回をお楽しみに。