Tetsu Construction

こんな、構造物なんだ!

真夏の涼感#1

f:id:seichiro0:20170418202625j:plain

 それでは、今回から数回にかけて、鉄道遺構について連載して行きたいと思います。

 近鉄奈良線石切駅に集合し、ツアーに参加します。目指すは、金網の内側の、コンクリートで地面を固めた場所です(写真)。どういう場所でしょうか。

f:id:seichiro0:20170418202640j:plain

 進むと、両側に対向式のホームが見えてきます(写真)。駅の遺構のようです。

f:id:seichiro0:20170418202650j:plain

 駅名標があります(写真)。「くさえざか」と書かれます。

 これは、「孔舎衛坂」駅跡、近鉄奈良線の旧駅で、近辺のルート変更に伴い廃止された駅です。

 しかし、何故廃止となったのか。それが、これからの連載の主題です。知る人ぞ知る話で、知っている人には面白くありませんが、お付き合い下さい。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#7

f:id:seichiro0:20170417195631j:plain

 それでは、今回は、名鉄のイベントから、最終回です。

 今回は、旧来の台車、D-16です(写真)。日車製の台車、戦前形の棒鋼組立台車枠の、吊掛台車で、アメリカ、ボールドウィン社に起源を持つ台車だそうです。イコライザーで軸箱を支持し、それに2つのバネで載っている構造、旧来の台車です。名鉄の戦前製電車に使用された台車です。クラシカルですが、分かりやすい構造です。

 現在の技術に至るまでは、先進国の模倣から入っていきました。同様のものは他社も製造しますが、一番有名で、かつ大量に供給されたもので、現在も残ります。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#6

f:id:seichiro0:20170413220712j:plain

 それでは、今日は、引き続き名鉄のイベント、名鉄資料館からお届けします。

 写真は、国鉄の特急愛称表示のようです。しかし、それは違います。名鉄高山本線直通特急北アルプス」のものです。

 戦前から、名古屋発の電車が、新鵜沼から高山本線に入り、SL牽引で高山に行く、という列車がありました。戦後復活し、後にキハ8000形準急「たかやま」が走り出し、急行を経て特急「北アルプス」まで格上げされた、出世列車です。これは、その旧来のキハ8000形を改良したキハ8200形当時の愛称表示で、国鉄のものが絵入りになったことから、同様の措置がとられました。一時は富山地方鉄道まで乗り入れた時代があり(地鉄でも評判は良かった)、JR化でJR東海がキハ85系を投入すると、足回りはキハ85、室内は「パノラマスーパー」相当の、キハ8500形を製造しましたが、利用者の低迷等で廃止となりました。その後キハ8500形は一族で会津鉄道に移籍しましたが、こちらでも引退、個人等に売却されたようです。

 鉄道には、勃興から廃止までの歴史があり、多くは残念な記録となっています。しかしこれは、輝かしかった時代の記憶です。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#5

f:id:seichiro0:20170413215034j:plain

 それでは、先回に引き続き、名鉄のイベントからお届けします。

 写真の物体は、何か分からない人が、今は多いと思います。これは、パノラマカーの行先表示器で、目的地が増えたために設けられたものです。一般形は「逆富士型」と言われ、これは白帯車(特急運用車)用の、「小富士型」のものです。

 最初は、「特急 三河湾」で、西尾線経由蒲郡行きの特急の表示です。蒲郡線に、特急が走っていた時代、懐かしいより前です。

f:id:seichiro0:20170413215052j:plain

 続いて、「特急 日本ライン」です(写真)。「日本ラインシュロス」も、今はどうか。

 下が列車種別、上が行先あるいは愛称です。本形で、捲って、必要なページで留め金を止めます。なお、行き先が無い場合には、上部のフックに専用の行先の板を、上部2か所のフックに引っ掛けて、横の留め金で止めます。

 一般用の逆富士型は、後に電動方向幕となり、同館に保存されるのもそれです。だから、これは、貴重な資料です。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#4

f:id:seichiro0:20170413205503j:plain

 それでは、今回も引き続き名鉄のイベント関連をお届けします。

 名鉄資料館に入ります。入って、先ず最初に見たいのは、7000系「パノラマカー」の、特急エンブレム(写真)。デビュー時の愛称、「Phoenix」の刻印も入ります。

 茶や紺や黒の車両たちの間に、黄金の特急エンブレムを掲出し、全身真っ赤な電車が入線したら、どう思うでしょうか。正確にはあの赤は「スカーレット」という名の赤で(Gone With The Wind!)、恐ろしく衝撃的なのが分かるでしょう。もう少し英語が定着した時代なら、そのまま「フェニックス」だったでしょうが、当時は結局「パノラマカー」と呼ぶしかありませんでした。でも、結局名鉄は全ての電車にスカーレットを塗り、イメージカラーが出来ました。

 後にその位置には、逆富士型の本式方向幕が装備され、分からなくなってしまいましたが、これがオリジナルのエンブレムです。値段は、つきません。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#3

f:id:seichiro0:20170413204220j:plain

 それでは、今回は、名鉄のイベント関連をお届けします。

 3つ目が、メイン会場で、可児市内の「名鉄資料館」です。「日本ライン今渡」から歩くこと20分以上、夏の時期で、大変でした。他の会場を捨て車か、あるいは駅からタクシーが快適です。

 資料館には貴重な資料が並びますが、先ずは外から。おそらく高速形パノラマカー7500系用の台車、住金(住友金属、現在の「新日鉄住金」)FS355Aです(写真)。奥にも台車は並びますが、写真と記録がきちんとしておらず、掲載を断念しました。

 揺れ枕梁が台車上を渡り、心皿の無い、車体側の空気バネのダイレクトマウント構造が特徴、高速車両用のものです。ボルスタレス台車のボディーマウントの原形のようです。

 私鉄で、台車を見て、「FS~」と書かれていれば、間違いなく住友金属の台車です。戦前以来の鉄道用台車の名門、時代に適した台車を現在も製造しています。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#2

f:id:seichiro0:20170412211421j:plain

 それでは、今回も引き続き、名鉄のイベント関連をお届けしたいと思います。

 名鉄電気機関車は、EL120が新製され、、デキ400形、デキ600形が全廃になったのは記憶に新しいところですが、それより古いはずのデキ300形は、牽引車代用で現在も残っているのはご存じでしょうか。

 この日は、三柿野で、犬山検車区で使用されていたデキ305が、展示されていました(写真)。セミセンターキャブ、箱形ではありません。

f:id:seichiro0:20170412211437j:plain

 運転台(写真)。インパネが更新されているらしく、本線走行機能が残っています。左右が入れ替わる以外は、現在走る電車と大差ありません。

 しかし、同形で現存するのは舞木のみで、同機には車籍が無く、本線走行は不可能です。正直地元名鉄ファンも来ていなかった、この貴重なイベントが最期だったのか。現況は「私鉄車両編成表」にも載っていません。

 それでは、次回をお楽しみに。

貴重なイベント#1

f:id:seichiro0:20170411202547j:plain

 それでは、今日は、名鉄のイベントからお届けしたいと思います。

 名鉄は、一般向けの「電車まつり」のようなことはあまりしませんが、毎年8月頃にいくつかの会場に分かれイベントを行うことがあります。今回は、そんなイベントからです。名古屋市地下鉄鶴舞線、及び名鉄犬山線相直20周年記念でした。

 柏森1番線は、通常昼間、鶴舞線乗り入れ用車両の100系か200系が停まっています。今回は、その運転台が公開されていました。車両は100系、モ242でした(注:200系は215Fのみ)。

f:id:seichiro0:20170411202600j:plain

 その、運転台(写真)。中央の速度計の回りには、ATC速度信号が入っており、鶴舞線では最高85キロなのが分かります。他2ハンドルの運転機器で、左マスコン、右ブレーキです。他計器機器がありますが、ブレーキハンドルは外され、操作は勿論厳禁です。

 鶴舞線では名古屋市は置き換えを進めていますが、名鉄は既存編成のVVVF化を進めており、まだ当分新車は入れないようです。最終的にはホームドア設置の方向で進むはずですが、どう対応するつもりなのでしょうか。名鉄編成はATO装備が可能なのでしょうか?

 それでは、次回をお楽しみに。

保存状態良好#7

f:id:seichiro0:20170409202526j:plain

 それでは、今日は、新潟交通(鉄道廃止)月潟最終回です。

 今日は、モハ11、旅客電車です。いわゆる「日車標準車体」と呼ばれるもので、旧式な電車の足回りを再利用して、新しい車体を載せた、リサイクル電車です。

 よく見ると、普通の電車ですが、足回りは戦前式のイコライザー台車を使用しており、かなり古いことが分かります。

f:id:seichiro0:20170409202538j:plain

 車内(写真)。現在走る電車と、冷房が無いことを除けばほぼ同じで、リノリウム張りの床です。

f:id:seichiro0:20170409202549j:plain

 運転台(写真)。ワンマン運転にも対応しているようで、開放式のキャブです。

 これらの電車が走ることはもうありませんが、末永く保存されるよう願うのみです。

 それでは、次回をお楽しみに。

保存状態良好#6

f:id:seichiro0:20170409200019j:plain

 それでは、今回も引き続き新潟交通(鉄道廃止)月潟からお届けします。

 キ116を後押しするのは、モニ51(写真)。半鋼製の荷物電車でした。

f:id:seichiro0:20170409200030j:plain

 モニ51の、運転台(写真)。少し古い、インパネも無く、計器も僅かな運転台です。

 荷物電車としての必要が無くなってからは、専らキ116の後押し専門となっていたようです。内部は木材が多用され、荷物スペースになっていました。

 それでは、次回をお楽しみに。